
その他試験サポートサービス
ティー・エヌ・テクノスは、お客様の研究開発フェーズに応じた最適なソリューションを迅速に提案し、効率的にプロジェクトを推進できるようサポートします。画一的なパッケージングではなく、お客様のプロジェクトの目的や予算、タイムライン、個々の課題を深く理解した上で、最も効果的かつ効率的な試験デザインと解析戦略をサポートしているのです。ワンストップサービスとは異なり、必要なサービスだけを必要なタイミングで提供することで、無駄を省いています。
また当社は通常の培養細胞以外に、iPS細胞やプライマリー細胞を用いた受託業務にも対応しています。休日の実施やオンサイト・オンデマンドの両方の実施も対応可能です。
主な試験項目
- iPS細胞の継代維持
StemFit, mTeSR, E8など各種培地での培養方法に対応 - 分化誘導操作
神経系細胞、血球系細胞など多数実施経験あり - 分化誘導QC
免疫蛍光染色や遺伝子解析による実施 - 分化誘導後の化合物評価
様々なプレートフォーマットで大量実施可 - プライマリー細胞の採取、培養および解析
神経細胞、白血球の実施経験あり
創薬ターゲットに対するアッセイ系の構築、およびアッセイ基礎データの取得に関するサポートも承っています。
iPS細胞の継代維持、分化誘導操作
iPS細胞(人工多能性幹細胞)は、その多能性(体のあらゆる細胞に分化できる能力)と自己複製能(自分自身と同じ能力を持つものを増殖できる能力)から、再生医療や創薬、疾患研究などに革新をもたらす細胞として注目されています。iPS細胞を研究や応用に利用するためには、その維持培養と分化誘導の技術が不可欠です。
維持培養とはiPS細胞を未分化な状態で安定的に増殖させること。iPS細胞は非常にデリケートな細胞であり、維持培養には高度な技術と注意が必要です。
フィーダー細胞を用いた培養(On-feeder culture)
マウス線維芽細胞などをフィーダー細胞として培養皿に播種し、その上でiPS細胞を培養する方法です。フィーダー細胞がiPS細胞の増殖と未分化性維持に必要な因子(細胞外マトリックスや増殖因子など)を供給します。
フィーダーフリー培養(Feeder-free culture)
フィーダー細胞を用いず、特殊な培養皿コーティング剤と、無血清培地を用いる方法です。これらの培地には、多能性維持に必要な増殖因子やサイトカインが添加されています。
継代培養(Passaging)
iPS細胞はコロニーを形成しながら増殖します。培養皿が細胞でいっぱいになったら、増殖を続けるために継代する必要があります。
iPS細胞の分化誘導
iPS細胞を目的の細胞(神経細胞や心筋細胞、肝細胞など)に変化させるプロセスを分化誘導と呼びます。生体発生過程を模倣し、特定のシグナル経路を操作することで、目的の細胞へと誘導するものです。
iPS細胞は、適切な増殖因子やサイトカイン、低分子化合物などの組み合わせ、そして細胞密度、細胞外マトリックスといった培養環境の変化に応じて、特定の細胞系列へと分化していきます。これは、生体内の胚発生過程で、細胞が様々なシグナルに応答して分化していくメカニズムを人工的に再現するものです。
当社には神経細胞分化業務の経験が豊富なスタッフが揃っていますので、お気軽にご相談ください。

遺伝子解析関連業務
創薬におけるDNA/RNA抽出とそれに続く遺伝子解析は、患者個々に最適な治療を提供する「個別化医療」を実現するための基盤となる重要なプロセスです。疾患の分子基盤を理解した上で新規ターゲットを発見し、薬の作用機序を解明します。
DNA/RNA 抽出
様々な生体サンプルから、その後の遺伝子解析(NGSやPCR、マイクロアレイなど)に最適な、高純度かつ高収量の核酸を安定的に提供します。研究の初期段階から信頼性の高いデータを得るための土台を、私たちの専門技術が支えます。
qPCR
微量なDNA/RNAサンプルからも、目的遺伝子の発現量を高い感度で定量します。
高分解能な装置と最適化された試薬・プロトコルにより、再現性の高いデータを提供します。qPCRは、特定の遺伝子の発現量をピンポイントで解析できるため、創薬ターゲットのバリデーションや候補化合物のスクリーニング、作用機序の確認、バイオマーカーの検証など、創薬のあらゆるフェーズでその威力を発揮します。
遺伝子解析を通じて、お客様の創薬プロジェクトをサポートし、成功への最短ルートを共に歩みます。ぜひ、お気軽にご相談ください。
Virus-like-particle調製業務
ウイルスの遺伝情報を持たず、病原性を示さないにも関わらず、ウイルスの外殻タンパク質が自己集合して形成されるウイルスに似た粒子を作製します。
VLP(Virus-Like Particle; ウイルス様粒子)は、その構造が天然のウイルス粒子に酷似しているため、高い免疫原性を持ち、次世代ワクチンや遺伝子治療ベクター、診断薬などの開発に非常に有望なツールとして注目されています。特に創薬スクリーニングの現場では、過剰発現受容体タンパク調製に適しており、単位面積あたり細胞膜画分発現量の数倍の収量が得られます。
当社ではグラム単位の大規模調製にも対応します。一過性発現システム(Expi293™ Expression System)にて、高収量で迅速な調製が可能です。